2002春　奈良県西吉野村　百谷　　

注：記載数値は速報値であり、最終記録は報告書による
内容の転記はご遠慮ください

下記は3月31日春のサシバ探鳥会、探鳥記です。

サシバ渡りの時期が近づくにつれ、そわそわしてくる。週間天気予報にも注意し、 天気の具合はどうだろうかと気になる。雨にでもなれば最悪で、次のシーズンまで待 たなくてはならない。幸い晴れの穏やかな日和で、７時30分県庁前から岩崎さんの車 に乗せてもらい、西吉野村百谷へと向かう。暖冬の影響か、車窓からは満開の桜並木 が続く。百谷には９時15分に着く。
　ここは栃原岳の電波塔を背に、西方の橋本市街地を望見出来る絶好の観察地であ る。最初のサシバは私が見つけたい、そんな気持ちを胸にサシバ専用の双眼鏡ニコン 10×70、５゜を三脚にセットする。９時25分、何か黒い点が、春霞の中に見えるが、 まだサシバと確信できない。目を凝らし、息を潜め、神経を集中する。２羽、３羽と 帆翔している姿が識別できる。「サシバが出ました」と声に出す。10時20分には21羽 の鷹柱が立ち、上昇気流と風を巧みに捉え、大きく円を描きながら、ぐんぐん高度を 上げる。「すごいなぁ……」。
　鳥合わせで私は48羽、南方向も良く見える所で観察された岩崎さん達は111羽、元吉 さんの携帯に入ったメールでは、中元さんは栄山寺で約30羽、それにハイイロチュウ ヒが渡ったそうだ。
　いい一日を過ごさせてくれたサシバ達が、無事繁殖に成功し、秋の渡りに再開でき ることを願い帰途についた。(松尾)